公務員の初任給
公務員の給料は法律で決められているから公になっている!
とはいえども、行政職給料表だけでは分かりにくいですよね。
私も公務員になってしばらくは、表の見方も昇給のルールもわかりませんでした。
ただの数字の羅列じゃないか!!と思っていましたが、読み解くと給料の出し方が分かってきます。
規則さえわかれば何年後にどのくらいの年収になっているか、誰でもシミュレーションできますよ。
ちなみに細かい話ですが、「給与=給料+その他の手当て(残業代や役職手当等)」です。
それでは、東京都特別区の職員給与をもとに、実際の月収を算出してみます。
まずは、初任給からです。
公務員になる前の職歴がなく、大学卒業後すぐに事務職の公務員となった場合を想定します。
(前職があると職歴加算がありますが、これはややこしいので私も良く分かりません。笑)
特別区職員の初任給は、「特別区人事委員会規則第18号:初任給、昇格及び昇給等に関する規則」が根拠となっています。
第3節 初任給
(新たに職員となった者の職務の級)
第10条 新たに職員となった者の職務の級は、その職務に応じ、かつ、次に定めるところにより決定するものとする。
(1) 次に掲げる職務の級にあっては、あらかじめ人事委員会の承認を得ること。
ア 行政職給料表(一)の職務の級6級、7級及び8級
イ 医療職給料表(一)の職務の級2級及び3級
ウ 医療職給料表(二)の職務の級6級及び7級
エ 医療職給料表(三)の職務の級6級及び7級
(2) 前号に掲げる職務の級以外の職務の級にあっては、その職務の級について級別資格基準表に定める資格を有していること。
(新たに職員となった者の号給)
第11条 新たに職員となった者の号給は、前条の規定により決定された職務の級の号給が別表第6に定める初任給基準表(以下「初任給基準表」という。)に定められているときは当該号給とし、当該職務の級の号給が同表に定められていないときは、同表に定める号給を基礎とし、その者の属する職務の級に昇格したものとした場合に第17条の2及び第21条第1項の規定により得られる号給とする。
2 職務の級の最低限度の資格を超える学歴免許等の資格又は経験年数を有する職員の号給については、前項の規定にかかわらず、第14条及び第15条に定めるところにより、人事委員会の承認を得て、初任給基準表に定める号給を調整し、又はその者の号給を前項の規定による号給より上位の号給とすることができる。
注目すべき文言は、第11条の条文中に記載されている「別表第6」です。
別表第6(第11条、第12条関係)
初任給基準表
ア 行政職給料表(一)初任給基準表
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職種 |
試験(選考) |
学歴免許等 |
初任給 |
調整号数 |
事務 福祉 技術 |
Ⅰ類 |
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1級29号給 |
+1号 |
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Ⅱ類 |
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1級17号給 |
+3号 |
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Ⅲ類 |
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1級5号給 |
+5号 |
法務 |
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4級6号給 |
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会計 |
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3級2号給 |
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これによると、事務職の初任給は「1級29号給」であることがわかります。
では、具体的にその額は?となったときに参照するのが、各自治体で定められている「職員の給与に関する条例」です。
実は23区ごとにその内容も若干異なりますが、額はだいたい同じです。
ここでは渋谷区を例にあげてみようと思います。
給料表のことについて定められているのは第5条で、「別表第一」に事務職の具体的な給料が定められています。
行政職給料表(一)
(給料表、適用範囲及び職務の級)
第五条 給料表の種類は、次に掲げるとおりとし、各給料表の適用範囲は、それぞれ当該給料表に定めるところによる。
(本項全部改正…三二年一七号、一部改正…三五年二三号)
一 行政職給料表 (一) (別表第一)
(改正…三四年二五号)
以下、別表第一の一部を抜粋します。
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職員の区分 |
職務の級 |
1級 |
2級 |
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号給 |
給料月額 |
給料月額 |
再任用職員以外の職員 |
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円 |
円 |
23 |
173,200 |
237,200 |
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24 |
175,000 |
239,200 |
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25 |
176,800 |
241,200 |
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26 |
178,600 |
243,200 |
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27 |
180,400 |
245,200 |
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28 |
182,100 |
247,300 |
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29 |
183,700 |
249,400 |
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30 |
185,000 |
251,500 |
表より該当する額が「183,700円」なので、これが初任給の給料となります。
特別区は地域手当がこれに20%加算されますから、
183,700円×1.2=220,440円が額面の月給になります。