とある公務員のよしなしごと。

地方公務員薄給アラサーの叫び。現在、宅地建物取引士の試験勉強中です。

公務員が昇給した時、年収がいくらになるのか。

前の記事でも紹介いたしましたが、公務員の給与は法令上で定められているので、公になっております。

しかし、お役所の決めているルールなので、法律に馴染みのない方はが具体的な年収等を計算するのは難解です。

公務員に入る前に、某知恵袋等で年収等について質問した時、おきまりのように「法律上で定められている給与表を見ればわかる。」と言われてしまうことが多々ありました。

わからないので質問しているんですけどね・・・笑

公務員になり、給与明細をいただいても仕組みがわからなかったところではありますが、

社内の様々な研修資料を漁りまして(笑)、自分の給与額を具体的に算出してみたらようやくわかるようになりましたので、計算方法をお教えしたします。

当時私がわからなかったことは、皆さんもわからないと思います。

もし文章面でわからないと思うことがありましたら、ご指摘いただけるとありがたいです。

 

 

 

1 昇格と昇給の違い

似たような言葉でよく惑わされておりましたが、端的にいうと以下の通りです。

●「昇格」・・・給与表で言うと、職務の級が上がること。

●「昇給」・・・給与表で言うと、号給が上がること。

 

・・・いや、意味わからないよ。

と思う方もいらっしゃると思いますので、具体的な給与表をみてみます。

特別区の行政職給与表を一部抜粋して掲載します。

 

職務の級

1

2

3

4

5

6

号給

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

 

1

142,500

197,100

227,300

254,200

285,000

370,300

2

143,600

198,700

229,400

256,500

287,500

373,100

3

144,700

200,300

231,500

258,800

290,000

375,900

4

145,900

201,900

233,600

261,100

292,500

378,700 

 

例えば、現在が1級2号給だとします。

(現実的にありませんが笑)

 

昇給は、号給が上がることなので、例えば1級2号から1級4号に金額が上がることを言います。

下にスライドしますので、基本給が2,300円のアップですね。

昇格は、職務の級が上がることなので、例えば1級2号から2級1号に金額が上がることを言います。

右にスライドします。

 

ただし、気をつけることがあります。

昇給は単純に下にスライドしていきますが、昇格の場合は単純に右にスライドするわけではありません。

よく昇格すると給与が月5万程上がると誤解されてしまうのですが、このような考えに至ってしまう原因は、昇格すると号級はそのままで級が上がると誤認しているためです。

したがって、例えば、昇格で1級2号から2級2号になることはありません。

 

2 公務員昇格時の給与算出

そしたら、どこにスライドするの?

と思いますよね(笑)

実は昇格した時、どこに給料表のスライドするのかと言うのも法令上で定められています。

特別区の場合ですと、「初任給、昇格及び昇給等に関する規則」第21条に規定があります。

 

(昇格の場合の号給)

第21条 職員を昇格させた場合におけるその者の号給は、別に定める場合を除き、その者に適用される給料表の別に応じ、かつ、昇格した日の前日に受けていた号給に対応する別表第7に定める昇格時対応号給表(以下「昇格時対応号給表」という。)の昇格後の号給欄に定める号給とする。

 

 

※第21条は第2項以下もありますが、あまり関係ないので一部のみ抜粋しています。

 

と言うことで、詳しいことは別表第7に記載されています。

では別表第7も一部を抜粋して説明しますね。

 

昇格した日の前日に受けていた号給

昇格後の号給

号給

2

3

4

5

6

7

8

37

17

25

29

41

25

29

21

38

18

26

30

42

26

30

22

39

19

27

31

43

27

31

23

40

20

28

32

44

28

32

24

41

21

29

33

45

29

33

25

42

22

30

34

46

30

34

26

43

23

31

35

47

31

35

27

44

24

32

36

48

32

36

28

 

例えば、昇格する前の基本給が「1級38号」だとします。

2級に昇格となった場合は、「2級18号」になります。

 

これを給与表に当てはめてみます。

職務の級

1

2

3

4

5

6

号給

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

給料月額

 

17

162,700

225,400

261,500

291,200

326,000

415,800

18

164,300

227,300

263,700

293,600

328,600

418,700

19

166,000

229,200

265,900

296,000

331,200

421,700

20

167,800

231,200

268,200

298,400

333,900

424,700

21

169,600

233,200

270,500

300,800

336,600

427,700

22

171,400

235,200

272,800

303,200

339,300

430,700

23

173,200

237,200

275,100

305,600

342,000

433,800

24

175,000

239,200

277,400

308,000

344,700

436,800

25

176,800

241,200

279,700

310,400

347,400

439,800

26

178,600

243,200

282,000

312,800

350,100

442,800

27

180,400

245,200

284,400

315,300

352,800

445,800

28

182,100

247,300

286,800

317,800

355,500

448,700

29

183,700

249,400

289,200

320,300

358,300

451,600

30

185,000

251,500

291,600

322,800

361,100

454,400

31

186,200

253,600

294,000

325,300

363,900

457,100

32

187,400

255,700

296,300

327,700

366,700

459,700

33

188,600

257,900

298,600

330,100

369,500

462,200

34

189,900

260,100

300,900

332,500

372,300

464,600

35

191,300

262,200

303,200

334,900

375,000

466,900

36

192,800

264,300

305,500

337,300

377,700

469,100

37

194,400

266,400

307,800

339,700

380,400

471,200

38

196,100

268,500

310,000

342,100

383,100

473,200

39

197,800

270,600

312,200

344,500

385,700

475,100

40

199,500

272,700

314,400

346,800

388,300

476,900

 

1級38号は「196,100円」ですが、2級18号は「227,300円」となります。

つまり、「31,200円」のアップです。

 

え?めっちゃ上がってない?

私の自治体ではこんなに上がらないんだけど!

と思ったのでもし違ったらごめんなさい。

ただ考え方はあっていると思います。