とある公務員のよしなしごと。

地方公務員薄給アラサーの叫び。現在、宅地建物取引士の試験勉強中です。

公務員の勤務年数別年収(1〜5年目)

 

1 公務員の昇給

公務員は、犯罪により逮捕された等の分限処分事由に該当しない場合、一年に一度必ず昇給します。

管理職が評価した成績に応じて、4号、5号又は6号の昇給があります。

普通に仕事をしていれば大抵は4号昇給となりますが、そこそこ頑張って上司に評価されれば5号昇給、かなり頑張って上司に気に入られると最高の6号昇給となります。

若手であれば6号昇給も稀ではなく、夜の付き合いや日頃上司に気に入られるよう意識することで、達成している人は結構います。

 

(初任給及び昇格昇給等の基準)

第六条 新たに職員となつた場合並びに職員が一つの職務の級から他の職務の級に移つた場合及び一つの職から同じ職務の級の初任給の基準を異にする他の職に移つた場合の給料の基準は、人事委員会が定める。

(一部改正…二八年八号・三二年一七号・五三年一〇号・元年五〇号)

2 職員を昇格(職員の職務の級をその上位の級に変更することをいう。以下同じ。)させるには、昇格させようとする職務の級に適すると認められる場合に限るものとする。

(一部改正…三二年一七号・元年五〇号)

3 職員の昇給は、人事委員会が定める日に、同日前で人事委員会が定める期間におけるその者の勤務成績等に応じて、行うものとする。

(改正…一八年一一号)

4 前項の規定により職員を昇給させるか否か及び昇給させる場合の昇給の号給数は、同項に規定する期間の全部を良好な成績で勤務した職員の昇給の号給数を四号給とすることを標準として人事委員会が定める基準に従い決定するものとする。

 

2 公務員の初任給(年収)

まず、特別区事務職の公務員で、独身前職なし1年目の年収を計算してみます。

ちなみに残業代は考慮していません。

前の記事でも紹介しましたが、原則1年目は1級29号に該当するため、基本給は183,700円になります。

賞与の計算月数は、平成27年度の港区を参考にすると4.3ヵ月分ですが、初任給の場合は満額支給されないので、4.3ヵ月×9月÷12月=3.225月とします。

夏賞与は1〜6月在籍したこと、冬賞与は7月〜12月在籍したことが前提であるため、最初の夏賞与は通常よりも月数が半分となります。

 

「年収=月収+賞与」です。

●月収=183,700×1.2(地域手当20%)×12月=2,645,280円

●賞与=183,700×1.2(地域手当20%)×3.225月=710,919円

 

年収=3,356,199円(額面ベース)

これが初任給と思われます。

 

税金が引かれるため、手取りは8割の2,684,959円と想定されます。

地方公務員は、その地方自治体に住んでいる人を雇用することが前提にあるため、家賃手当ては手厚くなく、東京に上京して一人暮らししている人は結構厳しいと思います。

国家公務員はその点、地方公務員より家賃手当てや独身寮が豊富なため、福利厚生は十分と思いますね。

ただし、年収ベースにしたら差がないのかもしれません。

 

3 公務員の昇給ペース

実は、4号昇給も6号昇給も対して昇給額に差はありません。

例えば、初任給をベースに、4号昇給した場合と6号昇給した場合を比較してみます。

これも先日紹介した記事と同様で、特別区の事務職で独身前職なし1年目が2年目に昇給した場合を想定します。

 

職員の区分

職務の級

1

 

号給

給料月額

再任用職員以外の職

 

 

29

183,700

 

30

185,000

 

31

186,200

 

32

187,400

 

33

188,600

 

34

189,900

 

35

191,300

 

36

192,800

 

1年目が29号級でスタートするので、4号昇給した場合、2年目の給与は29+4=33号級になります。

6号昇給した場合は、29+6=35号級になります。

 

●4号昇給の場合の2年目年収

月収=188,600円×1.2(地域手当)×12月=2,715,840円

賞与=188,600円×1.2(地域手当)×4.3月=973,176円

年収=3,689,016円

 

●6号昇給の場合の2年目年収

月収=191,300円×1.2(地域手当)×12月=2,754,720円

賞与=191,300円×1.2(地域手当)×4.3月=987,108円

年収=3,741,828円

 

4号昇給と6号昇給の差額は、52,812円です。

微々たるものですが、数年後には大幅な開きになってくるでしょうね。

 

4 公務員の1〜5年目の年収

上のように計算すると、次の通りになります。 

 

<5年とも4号昇給の場合>

年次

基本給

月収

賞与

年収

2

33

188,600

226,320

810,980

3,526,820

3

37

194,400

233,280

835,920

3,635,280

4

41

201,300

241,560

865,590

3,764,310

5

45

208,700

250,440

897,410

3,902,690

 

<5年とも5号昇給の場合>

年次

基本給

月収

賞与

年収

2

34

189,900

227,880

816,570

3,551,130

3

39

197,800

237,360

850,540

3,698,860

4

44

206,800

248,160

889,240

3,867,160

5

49

216,300

259,560

930,090

4,044,810

 

<6年とも5号昇給の場合> 

年次

基本給

月収

賞与

年収

2

35

191,300

229,560

822,590

3,577,310

3

41

201,300

241,560

865,590

3,764,310

4

47

212,500

255,000

913,750

3,973,750

5

53

223,900

268,680

962,770

4,186,930


5 公務員の残業事情

1年間全く残業がないところや、1年間を通じて200時間を超える部署もあります。
残業の有無は、部署によって異なります。

1〜5年目だと残業すると1時間2,000円くらいなので、人によってはプラス50万円程度になるかもしれませんね。

 

6 賞与の業績加算

実は、2年目から業績に応じて、賞与だけ成績加算されるケースもあります。

私もこれに該当したことがあって、賞与額をベースに何%増とかなので、通常の人よりプラス5万円になったりします。

該当者だけ、賞与が支給される前に管理職からお告げがありますので、呼び出された時は結構嬉しいです。

 

 

このようにして計算すると、ある程度生涯年収が自分で計算できます。

ただし、今は平社員(主事という職種で、一番のヒラ)の場合の想定です。

昇格すると1級から2級に上がるため、参照する行が異なってきます。

昇格は株式会社でいうと、主事→課長→部長 といった役職昇任のことを言い、

昇給は役職とはまた別に定期的に給与が上がることを言います。

 

次のブログで詳しく説明しますね。